数字で見る2019年のヘイト行動

2019年のヘイトのまとめは、2019/12/25のNO HATE TV 第77回「2019 ヘイト・クリスマス! 今年最悪のヘイト王決定戦」にあります。そこで選ばれたのとは違う基準で、トピックを上げます。

 

1.統一地方選で、ヘイト政党の「選挙演説」にカウンターを実行。

2016年東京都知事選、2017年東京都議選、その他地方選ではできなかった行動ができるようになりました。

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参院法務委員会の質疑でも、選挙運動中のヘイトスピーチに対する見解が出ました。

警察庁法務省の選挙運動中のヘイトスピーチに対する見解

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 2.川崎市に、ヘイトスピーチに罰則がつく差別禁止条例が成立しました。

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3.自治体、裁判所によるヘイトスピーチ認定が相次ぎました。

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データベースにいれている2012年4月以降のヘイト行動の件数を集計しました。
2019年のヘイト行動のデータは2019年のヘイト行動アーカイブマップをご覧ください。
昨年の集計は数字で見る2018年のヘイト行動をご覧ください。

 

漏れが多数ある(とくに日本第一党の講演会はほとんどスルー、動画もあがらない無告知街宣はスルー、沖縄のヘイト行動に漏れた数)、選挙運動は一日の行われた複数の活動(演説、ねりあるきなど)はまとめて1件にするなど、データ取得に問題があります。それでも、ある程度の傾向を掴めると思います。

 

地域別のヘイト行動件数推移

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2012年は4月以降の数字なので少なく見えます。1-3月分の推測値を入れると、350-370件になると思います。
2019年は合計300件でした。東京に集中しています。統一地方選日本第一党の立候補者がいた関東、関西、九州の件数が増加しました。沖縄はあるヘイト団体が毎週那覇市役所前で街宣しているようなので、もっと多いはず。

 

種別ごとの件数推移

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デモが減少しました。街宣もやや減少。件数を押し上げたのは、統一地方選でした。
「その他」には、極右政党の日本国民党党首・鈴木信行による葛飾区議会の質疑があります。他にも地方自治体にはヘイト政治家がいるので、彼らの議会内の言動には注意したほうがよいでしょう。

 

地域別の種別ごとの件数推移

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九州の街宣が増えています。福岡県、宮崎県にアクティブなレイシストがいるため。ひとりの活動家のために、その地域のヘイト行動が活発になります。

 

都道府県別の件数推移

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都道府県別で件数を集計します。東京都は多いものの一時期の半分以下になりました。「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」を施行したり、都内のデモや街宣でヘイトスピーチがあったと認定したり、新宿区のようにデモを申請しずらくしたなどの影響がありそうです。ヘイトデモが頻発していた新宿区、中央区のデモが減りました。
神奈川県が増加しているのは、日本第一党神奈川県本部の川崎駅前街宣が定期的におこなわれているため。

 

在特会行動する保守含む)が主催者の件数

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在特会を名乗るのは、関東・中部にしかいないので、件数は激減(2019年の関西は東京の在特会の遠征)。

 

日本第一党が主催者の件数

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2019年には日本第一党の件数が半分を越えました。市民有志や民族主義団体を名乗れず、政党活動名目でヘイト行動を行うようになりました。

 

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中国、四国、九州は「日本第一党」名で活動しています。

 

無告知(ピンポンダッシュ)の件数と割合推移

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カウンター活動が活発になった2013年2月以降、無告知が増えてきましたが、2019年にはほぼ半分が無告知になりました。とくに統一地方選の後半戦では、立候補者を出した政党の選挙演説スケジュールが告知されなくなりました。
そのため捕捉できずカウンターのいない街宣他が増えましたが、レイシストの人数は10人未満がほとんどで、聴衆が全くいない状態になっています。

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日本第一党で活動するのが多い中国、九州は告知ありが多いのですが、その他はのきなみ無告知にシフト。

 

市区郡別の件数

これまでは市区郡別の件数はデモだけをみていましたが、デモ件数が激減したので、すべての行動の件数で出すことにしました。
政令指定都市では市ではなく区ごとに集計しました。そのため、下図には区の違う同じ市が繰り返し登場します。

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図は過去6年の件数のワースト30。大阪市、東京都、京都市など独自にヘイトスピーチ抑止条例などをもっているところでは、次第に件数が減っているようです。実名公表、ヘイトスピーチ認定などの緩い罰則でも、効果があるように思えます。
2019年は川崎市で罰則付きの差別禁止条例ができましたが、その反対運動などで市内のヘイト行動が活発化しました。2020年の件数推移に注目。
表に載っている市区郡は、早急に自治体がヘイトスピーチ抑止条例をつくって対策するべきです。
都市部のヘイトスピーチは主にカウンター活動で抑止されているため、地方に拡散するようになっています。自治体はこのブログのデータをみて、実態把握するようにし(なにしろ警察も法務省もここまでのデータベースをもっていないようにみえる)、対策を検討してください。

 

このデータベースには入らない情報をいくつか。

・路上の行動(デモ、街宣)からロビイングにシフトしている団体や個人があります。自治体、公共施設、記念碑管理、小中高等学校などに、歴史捏造や嫌韓・嫌中などの口実で嫌がらせをして、友好行事廃止・施設撤去・説明文書き換えなどを要求しています。

・地方議会にヘイト議員が増えています。在特会系では川西市の中曾ちず子、葛飾区の鈴木信行、N国系では豊島区のくつざわ亮治など。他にも多数。ヘイト議員がいることは、議会でヘイトスピーチを行う機会を与えることになります。すでにデマであることが分かっていることを質問して、議会と役所のリソースを無駄にします。極右団体やヘイト団体の行事を自治体が協賛や支援することになります。極右教科書が採択されることがあります。場合によっては人権侵害の法案や決議が通ってしまうことがあります。ヘイト議員の動向に注意を払ったほうがよいです。

 

 2019/12/25のNO HATE TV 第77回「2019 ヘイト・クリスマス! 今年最悪のヘイト王決定戦」

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2019年最悪ヘイト王

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年間ワースト10

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