【2020/7/2】職場で「ヘイト文書」配布 「フジ住宅」に110万円支払い命令

 

2015/11/17

社内でヘイト文書配布で苦痛 在日コリアン社員が提訴 大阪のフジ住宅(新聞うずみ火)

「社内でヘイトスピーチ(憎悪表現)が記された文書を職場で繰り返し配布されるなど、精神的苦痛をうけたとして、在日コリアンのパート社員が、大阪の住宅会社と同社会長を相手取り慰謝料などの損害賠償を求めた。写真は弁護団(11月撮影・栗原佳子)

人権救済申し立てにも会社側は改善の努力をせず
大阪府岸和田市に本社を置く大手住宅メーカー「フジ住宅株式会社」で働く40代の在日コリアン3世の女性が、社内でヘイトスピーチ(憎悪表現)が記された 文書を職場で繰り返し配布されるなどして精神的苦痛をうけたとして、会社と同社会長を相手取り慰謝料など3300万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭 弁論が11月12日、大阪地裁堺支部で開かれた。/ 原告は2002年に入社したパート社員。訴状などによると同社では数年前からほぼ毎日、民族差別的な内容や、いわゆる「自虐史観」を攻撃する内容を 含んだ新聞や雑誌のコピー、「嫌韓本」「嫌中本」などが配布されるようになった。社員に感想を書くよう促しており、配布物には「(韓国人は)嘘が蔓延して いる民族」などと書かれた感想文のコピーも含まれている。/ また「新しい歴史教科書をつくる会」系の教科書採択を推進するため、住所地のある自治体の市長や教育長に手紙を書くことや、教科書展示会の会場でアンケートを記入することを促していたという。/ 原告は今年1月、会社に対し改善を申し入れ、3月には大阪弁護士会に人権救済を申し立てた。しかし会社側は8月には原告に対し退職を迫るなどしたため、原告は同月末、提訴に踏み切った。/ 初弁論で原告は意見陳述を行い、「業務と関係のない資料や促される様々な行為は、全従業員に対し、会長がよしとする思想への同調称賛を求めるものと 感じた。会長と異なる考えを持つ人や私のような存在を排除し、蔑み、敵意を表明させることにつながっていると思う」「韓国・中国・在日を含め、会長の意に 沿わない人や団体にむけられた憎悪の表明にさらされることが増えるにつけ、促す側だけでなく、結果的に同様の意見表明に至らざるを得なかった方々にも複雑 な感情を持たされてしまい、その葛藤も精神的負担となっている」などと訴えた。/ 社内ではいまも資料の配布が続き、なかには原告を批判する内容の文書まであるという。閉廷後の報告会でコリアNGOセンター代表理事の郭辰雄さんは 「前面に立って裁判に訴えなければならないのが在日のコリアン、女性という立場の弱い人。なぜ正社員で、立場のある人が『それはあきませんで』と声をあげ ないのか。それこそが一番問題だと思う。この裁判は、傷ついた在日の被害回復だけではなく、日本の人たちの表現の自由、人間としての尊厳を守るための闘い でもある」と話し、幅広い支援を訴えた。【新聞うずみ火 栗原佳子】

www.asiapress.org

 

2020/7/2

職場で「ヘイト文書」配布 「フジ住宅」に110万円支払い命令 地裁堺支部
「職場で民族差別表現を含む文書を繰り返し配布され、精神的苦痛を受けたとして、東証1部上場の不動産大手「フジ住宅」(大阪府岸和田市)で勤務する在日韓国人の女性が、同社と会長(74)に計3300万円の賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁堺支部は2日、110万円の支払いを命じた。/ 訴状などによると、同社は2013年ごろから、「韓国人はうそつき」「批判されるとすぐに『差別ニダ』と大騒ぎする在日朝鮮族」などと書かれた雑誌記事や社員の感想文などを繰り返し従業員に配布していた。/ 女性側はこれらが違法なヘイトスピーチ(憎悪表現)に当たるとし、職場で差別的言動にさらされない権利があるのに、会社は配慮義務を怠ったと訴えていた。これに対し、会社側は「表現の自由の範囲内だ」と反論していた。【高田房二郎、伊藤遥】」

mainichi.jp

 

会社のヘイト文書は段ボール3箱分 訴え続けた在日女性
「職場で「在日は死ねよ」などのヘイトスピーチを含む文書を配布され精神的苦痛を受けたとして、東証1部上場の不動産大手「フジ住宅」(大阪府岸和田市)で働く在日韓国人3世の50代女性が、同社と会長を相手取って3300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が2日、大阪地裁堺支部であった。中垣内(なかがいと)健治裁判長(森木田邦裕裁判長代読)は「職場で差別的取り扱いを受けるおそれがないという労働者の内心の静穏は保護されるべきだ」との判断を示し、同社と会長に計110万円の支払いを命じた。/ 「私の心の痛みをくみ取ってくれた」。原告の女性は判決後の会見で、時折涙を浮かべ、喜びを語った。

ヘイトめぐり、フジ住宅会長らに賠償判決 職場で文書
 女性は在日韓国人の3世として日本で生まれ育った。幼なじみの在日韓国人3世が友達の親から「あっち(朝鮮)の子とは遊ばないように」と差別を受けたことがきっかけで、小学校高学年から日本名を使わず本名で暮らした。成長につれ日本人でも韓国人でもない在日韓国人としての生きにくさを痛感する一方、自分のルーツを大切にしたいと思いを強くしたという。日本人男性と結婚しても名前や国籍は変えなかった。/ 2児を出産した後の2002年2月、建築設計関連の経験を生かせるパートタイマーの職場を求めて見つけたのがフジ住宅だった。子供が急病にかかった時も休みが取りやすく、働きやすい職場だったが、12年ごろから社内の雰囲気が変わったという。」

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