『スッキリ』でアイヌへの差別用語が使われたと抗議の声集まる 脳みそ夫のコーナー
2021年03月12日 21時06分 リアルライブ
記事まとめ
「12日放送『スッキリ』でアイヌへの差別用語が使われたとして、抗議の声が集まっている/ 脳みそ夫が「あ、犬」と謎かけを披露したが、実際に差別やいじめに使われてきた言葉/ これに対して「作品を取り上げるなら最低限勉強して」といった批判の声が殺到している/ 『スッキリ』のアイヌ文化の番組紹介に「最低限勉強して」抗議の声 差別用語を使い物議に?」
2021年03月12日 17時00分 リアルライブ
「12日放送の『スッキリ』(日本テレビ系)でアイヌへの差別用語が使われたとして、視聴者から抗議の声が集まっている。/ 問題となっているのは、毎週金曜日の最後に放送されているHuluのおすすめ番組を紹介する「週末ジョイHuluッス」のコーナー。芸人の脳みそ夫がスッキリスの着ぐるみを着て進行するコーナーになっている。/ コーナーでこの日紹介されたのは、いまを生きるアイヌ女性の葛藤を描いたドキュメンタリー「Future is MINE -アイヌ、私の声-」。アイヌ文化の中で生まれ育った女性がアメリカの先住民族の元を訪れ、「自分の道」を見いだそうとする様子を記録したと紹介された。/ 脳みそ夫は「アイヌって本当に美しいッスね~」と感想を述べていたが、最後に「ここで謎かけをひとつ」と切り出す場面が。脳みそ夫は「この作品とかけまして、動物を見つけたととく。その心は……」「『あ、犬!』(アイヌ)。ワンワンワンワン!」と謎かけを披露していた。/ しかし、「あ、犬」という言葉は実際にアイヌへの差別やいじめで使われてきた言葉。アイヌへの差別についてまとめた論文にそうした証言が残っていることから、視聴者から「ひどすぎる…」「ダジャレじゃなくて、『畜生がいる』『毛むくじゃらの人がいる』って意味で使われてきた言葉なんだよ、これ」「作品を取り上げるなら最低限勉強して」といった批判の声が殺到している。/ この謎かけについて、脳みそ夫が考えたものなのか、台本にあったものかは不明だが、ネットからは批判だけでなく、なぜこの言葉が使われることになったかの説明と番組での訂正、謝罪を求める声もあった。/ 多くの視聴者が差別だとして怒りを感じたこの言葉。番組は視聴者からの抗議に対応するのだろうか――。」
脳みそ夫という
— y_o_o_n (@ynshg_popo) 2021年3月12日
芸人です。
芸人の“ネタ”なのか
番組制作陣の「脚本」かは不明ですが
放送局側に
明確な悪意があり「知ってて」
やってる。
受け取り側の大衆の“無知”の
余白にヘイトを上書き。
この日本社会におけるヘイトの
常套手段。嫌韓報道も然り。 pic.twitter.com/baSDpVuPje
「スッキリ」でアイヌ民族に不適切表現 日テレ謝罪
宮田裕介、大野択生
2021年3月12日 19時51分
「日本テレビは12日、同局系の情報番組「スッキリ」でアイヌ民族を傷つける不適切な表現があったとして、同日のニュース番組内でおわびした。/ 問題の発言は、動画配信サービス「Hulu(フールー)」の番組を紹介するコーナーであった。アイヌ女性のドキュメンタリー「Future is MINE ―アイヌ、私の声―」を紹介した後、お笑い芸人の脳みそ夫さんが「この作品とかけまして動物を見つけた時ととく。その心は、あ、犬」と謎かけをした。番組の放送後、SNS上などで「本当に許されないこと」などと批判の声が多く上がった。/ 北海道大学アイヌ・先住民研究センターの北原モコットゥナ●(シ)准教授によると、民族名に「犬」という言葉をかけて、侮蔑することは昔から続いてきたという。「放送を見て、集中力が下がって仕事が手につかなくなった。前後の説明を見れば、好意的に紹介しようという意図があったことは分かるが、長年多くの人々のトラウマとなってきた言葉が流れてしまったことは重大だ」と指摘。「本来は多様性の大切さを扱った映像。この件が大手メディアが国内の重要なトピックに対して大変鈍感であることの問題として取り上げられることを望む」と話した。/ 日本テレビは取材に「当該コーナーの担当者にこの表現が差別に当たるという認識が不足しており、放送前の確認も不十分でした。その結果、正しい判断ができないまま、アイヌ民族の方々を傷つける不適切な表現で放送してしまいました」と説明。「アイヌ民族の皆様、ならびに関係者の皆様に深くお詫(わ)び申し上げるとともに再発防止に努めてまいります」などとコメントした。(宮田裕介、大野択生)」
「スッキリ」放送で日本テレビ謝罪 アイヌ民族めぐり不適切表現
国内
2021年3月12日 金曜 午後7:02
「日本テレビが放送で、アイヌ民族を傷つける表現があったとして、謝罪した。/日本テレビは12日、情報番組「スッキリ」で、アイヌ民族の女性をテーマにしたドキュメンタリーを紹介したが、12日午後、「それを受けての放送内容において、アイヌの方たちを傷つける不適切な表現があった」と、夕方のニュース番組内で謝罪した。/ 日本テレビは、「アイヌの皆さま、関係者の皆さまに深くおわび申し上げるとともに、今後、再発防止に努めてまいります」としている。」
日テレ「スッキリ」アイヌ民族への不適切表現…藤井アナが夕方ニュースで謝罪、頭下げる
「日本テレビが12日、同日の情報番組「スッキリ」で、アイヌ民族に対する不適切な表現があったとして、夕方ニュース「news every.」で経緯を伝え、謝罪した。/ 「news every.」でキャスターの藤井貴彦アナウンサーが「情報番組『スッキリ』からお詫びを申し上げます」として、「今日放送した情報番組『スッキリ』の中でアイヌ民族の女性をテーマにしたドキュメンタリー作品を紹介しました。それを受けての放送内容において、アイヌの方たちを傷つける不適切な表現がありました」と説明した。/ 「日本テレビではアイヌの皆様、関係者の皆様に深くお詫び申し上げるとともに、今後、再発防止につとめてまいります」と謝罪し、最後に藤井アナが「申し訳ありませんでした」と頭を深く下げた。」
今朝の日テレ系モーニングショー「スッキリ」で、
— 乱調 (@rantyo3141) 2021年3月12日
アイヌの若い文化伝承者の動画を「アイヌ素晴らしいね」などと紹介したあとに続いて・・・。
スタッフも出演者もその表現が、どのように使われてきたのか全く無知だったようだ。
日テレに電話して抗議してみたが、応対した女性もまた「無知」の極み pic.twitter.com/Wr2Yul6OWY
この部分ですね。確かに「あ、犬」と言っています。その後スタジオでも何ら問題視されてません。アイヌのアイデンティティを伝える為の作品を紹介した直後にこの発言。この発言が問題だと理解できない人が作る番組は恐ろしい。
— 涅槃の今日一🏳️🌈 (@iitaikoto1u) 2021年3月12日
日本のテレビ番組本当に酷すぎますよ。 https://t.co/gSkM8HdQPo pic.twitter.com/PYsjCMMG7z
— 脳みそ夫 (@nou_misoo) 2021年3月14日
#スッキリ#アイヌ
— Takion (@maatyrahmen) 2021年3月14日
差別表現について番組からの謝罪コメント pic.twitter.com/j3V5grGL5l
続いて、橋本五郎氏からの解説(?)コメント pic.twitter.com/MS8OVXojn8
— Takion (@maatyrahmen) 2021年3月14日
https://twitter.com/tokyo_sabako/status/1371238539224961029 から
2021/3/15
アイヌ民族に不適切表現 日本テレビ「スッキリ」で謝罪 水卜アナ、加藤浩次「深くお詫び」
「日本テレビは15日、「スッキリ」(月~金曜前8・00)の番組冒頭で、12日にアイヌ民族の女性を取り上げたドキュメンタリー番組を紹介した際、不適切な表現をしたことについて謝罪した。/ 番組冒頭、MCの水卜麻美アナ(33)が「番組からお詫びをさせていただきます」と切り出した。「先週金曜のスッキリでアイヌ民族の女性をテーマにしたドキュメンタリー作品を紹介しました。それを受けての放送の内容について、アイヌ民族の方々を傷つける不適切な表現がありました」と説明。「制作に関わった者にこの表現が差別にあたるという認識が不足していて、番組として放送に際しての確認が不十分でした。その結果十分な正しい判断が行われないまま、アイヌ民族の方々を傷つける不適切な表現で放送してしまいました」と述べ、「日本テレビとしてアイヌの皆様、並びに関係者の皆様に深くお詫びを申し上げるとともに再発防止につとめてまいります」と謝罪。「そしてアイヌ民族の方々の歴史や文化を深く理解して広く伝えていくための取り組みを進めてまいります」とした。/ 当該コーナーについては当面の間、休止とするとし「改めまして本当に申し訳ありませんでした」と深々と約3秒間頭を下げた。/ MCの加藤浩次(51)も「僕自身も北海道出身という立場でありながら、オンエアがあったとき即座に対応できなかったこと、深くお詫びしたいと思います。スタッフともども、全員でしっかりこういった問題に取り組んでいく、理解を深めていく、そういうことを我々はしていきたいと思います。今回はアイヌ民族の方々、本当に申し訳ございませんでした」と頭を下げた。/ 動画配信サービス「Hulu(フールー)」の番組を紹介するコーナーで、ドキュメンタリー「Future is MINE―アイヌ、私の声―」を紹介後、お笑い芸人の脳みそ夫(41)が披露した謎かけの中にアイヌ民族を差別する言い回しがあったとして、批判の声が上がっていた。同局は12日夕方のニュース番組などで謝罪。14日には脳みそ夫が自身のツイッターで謝罪した。/ 脳みそ夫はツイッターで直筆の書面をアップ。「この度は、ドキュメンタリー作品の出演者ならびにアイヌ民族のすべての皆さまにお詫び申し上げます。今回の件で僕の勉強不足を痛感しました。知らなかったとはいえ、長い年月にわたりアイヌの皆さまが苦しまれてきた表現をすることになってしまいました。大変申し訳ございませんでした」と謝罪。ドキュメンタリー出演者と会う機会を得たといい「誠心誠意謝罪の気持ちを伝えて参ります」とした。」
2021/3/18
日テレ会長が謝罪 「スッキリ」のアイヌ民族差別表現
「日本テレビ系の情報番組「スッキリ」でアイヌ民族に対する差別表現が放送された問題で、同局の会長である大久保好男・日本民間放送連盟会長は18日の定例会見で「アイヌ民族の皆さま並びに関係者の皆さまに心よりおわびを申し上げます」と謝罪した。/ 今月12日に放送された同番組では、動画配信サービス「Hulu(フールー)」の番組を紹介する番組内コーナーでアイヌ女性のドキュメンタリー「Future is MINE ―アイヌ、私の声―」を紹介した後、お笑い芸人の脳みそ夫さんがコーナーの結びに「この作品とかけまして動物を見つけた時ととく。その心は、あ、犬」と民族名に「犬」という言葉をかける謎かけをした。/ 放送直後からSNSを中心に多くの批判の声が上がり、15日の放送ではアナウンサーが「制作に関わった者に表現が差別だという認識が不足し、番組としての確認が不十分だった」と謝罪した。/ 北海道アイヌ協会も同局に原因究明を求める申し入れを行い、加藤勝信官房長官は16日の記者会見で放送は「極めて不適切」と述べ、内閣官房の担当部署を通じて同局に厳重に抗議したと明らかにした。/ ラジオ・テレビ記者会の幹事社から見解を問われた大久保会長は、「3月12日に放送した日本テレビの情報番組『スッキリ』の中でアイヌ民族の方々を傷つける不適切な表現がありました。アイヌ民族の皆さま並びに関係者の皆さまに心よりおわびを申し上げます。このようなことが二度と起きないよう再発防止に努めると共に、アイヌ民族の皆さまの歴史や文化、伝統を理解し、メディアとしてそれを広く伝える取り組みを進めて参ります」と謝罪した。/ 大久保会長は「どこに原因があったのか、どのような再発防止策を講じていくのか等々を含め、日本テレビではしっかり対応をしている」と述べ、近く開かれる同局の定例社長会見で詳細な説明があるとした。(大野択生
2021/3/22
アイヌ不適切表現で日テレ謝罪 社長「責任重く受け止める」
「日本テレビの情報番組がアイヌ民族に不適切な表現を使った問題で、小杉善信社長は22日の定例会見で「公共性と多様性、基本的人権を尊重することが求められているマスメディアにおいて、こうしたことがあったことの責任を大変重く受け止めている」と謝罪した。/ 小杉社長は「アイヌ民族の皆さまが差別を受けてきたことへの理解が制作担当者に足りておらず、放送した言葉が直接的な差別表現であることの認識が欠如していた」と説明。今後さらに検証し、再発防止策をまとめる予定だとした。/ 12日放送の情報番組「スッキリ」で、出演者が披露した謎かけの中にアイヌ民族を差別する言い回しがあった。」
<参考>
アイヌについて、「あ、犬」とからかうのは、ずっとアイヌに投げかけられてきた歴史的な差別表現として、数多の記録に残っております。今でも残存していると報告されることも珍しくなく、適切な注釈なしには許されることではありません。@ntv_sukkiri https://t.co/TAZFIBaTQk
— 岡和田晃_新刊『怪奇の国のアリス+怪奇の国!』『現代北海道文学論』 (@orionaveugle) 2021年3月12日
アイヌについて、「あ、犬」とからかうのは、ずっとアイヌに投げかけられてきた歴史的な差別表現として、数多の記録に残っております。今でも残存していると報告されることも珍しくなく、適切な注釈なしには許されることではありません。
適切な注釈なしに公共の電波で紹介することは許されない、という意味ですね。為念。
ちなみに、この差別、私の知る限り、遅くとも大正時代からある。つまり百年続いている。
手に入れやすいテクストでは、私の共編著『アイヌ民族否定論に抗する』(2015)のp.33およびp.314で、「あ、犬」発言の問題点が指摘されています。前者はそれがネットに広がっているという私の発言。後者は上西晴治作品で出てくるという村井紀さんの指摘。
上西晴治作品では、被差別の原風景として出てくるわけですからね。
自らをアイヌだと公言していた数少ない作家の鳩沢佐美夫も、「遠い足音」(1964年)で、自らを投影させた主人公が、小学校(国民学校)で受けた痛みの記憶として、「あ、犬」発言を書いています。引用元は『コタンに死す』(1973)。
山岡達丸 委員「今生きておられる高齢者の方々も、例えば小学校のころ、アイヌという言葉をもじったのであると思いますが、犬、犬と呼ばれて非常にいじめの対象になった」
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009919820190410005.htm から