2019/7/5
朝鮮学校を侮辱する街宣活動、「最寄り駅前でも禁止」 東京地裁が仮処分決定
「朝鮮学校を侮辱する街宣活動を学校の最寄り駅前で行うことについて、学校側から禁止する仮処分を申し立てられていた東京地裁は7月5日、「申し立ては相当」と認め、街宣活動などを禁じる仮処分を出した。
同日、申立人の代理人を務めた李春熙弁護士らが東京・霞が関の司法記者クラブで会見し、明らかにした。李弁護士は「この種の排外主義的なスピーチで仮処分が出たのは、4例目」と指摘。最寄り駅前での行為を禁じた裁判所の判断は、注目すべきポイントだという。
●生徒に危害が及ぶ恐れ
代理人によると、朝鮮学校は、東京都北区にある「東京朝鮮中高級学校」(学校法人東京朝鮮学園)。仮処分を出されたのは「朝鮮総連本部をさら地にする会」の代表代行の個人。
学校の最寄り駅であるJR十条駅前で複数回、大声で街宣活動をされ、生徒に危害が及ぶ恐れから、下校ルートを変更するなどの対応を取らざるを得なかったとしている。
学校側は4月頃から、街宣活動が十条駅前で不定期に行われていることを認識。6月15日に校内で開催される文化祭「アンニョンハセヨ2019」と同じ日に、街宣活動が計画されていたことから弁護士に相談し、仮処分の申し立てをしていた。
●学校の半径500メートル以内の街宣活動はダメ
東京地裁は仮処分決定で、具体的に禁止する行為として、以下の3点を列挙した。
(1)東京朝鮮中高級学校の正門を基点に、半径500メートルの範囲内(JR十条駅を含む)で拡声器を使ったり大声を上げたりして、学校側を非難・誹謗中傷する演説やシュプレヒコールをすること
(2)上記の範囲内で、学校側を非難・誹謗中傷する内容のビラを配布すること
(3)上記の範囲内で、学校側を非難・誹謗中傷する内容の文言を記したプラカードや旗を掲げて立ち止まったり、徘徊したりすること
そのうえで「学校側の名誉を毀損し、または侮辱するなど、学校の業務を妨害する一切の行為をしてはならず、第三者にこうした行為もさせてはならない」と命じた。
会見に同席した学校の教諭は「仮処分決定が出てホッとしている」と話した。
教諭によると、街宣活動に感化された一般の中年男性が、通学中の同校の女子生徒が日本語で会話していなかったことに目くじらを立て、「ここは日本なんだから、日本語でしゃべれ」と威圧的に迫ってきたこともあったという。
李弁護士は「生徒を威圧し恐怖を与えて、学校の業務を妨害することは許さない」。今後、本訴に移行するかどうかは未定とした。」
朝鮮学校周辺の街宣禁止、東京 最寄り駅も、仮処分決定
「東京朝鮮中高級学校(東京都北区)を運営する学校法人が、最寄り駅前で学校を非難する街宣活動をしている男性の活動禁止を求めた仮処分手続きで、東京地裁(古谷健二郎裁判長)は5日、駅を含めて学校の半径500メートル以内での演説やシュプレヒコールの禁止を命じる決定を出した。/ 学校側は東京都内で記者会見し、李春熙弁護士は「学校に押し寄せなくても、最寄り駅での行為を禁止した点に意義がある」と指摘。学校の金生華教務部長は「子どもの恐怖心などをくみ取ってもらい、ありがたい」と話した。/ 男性側の徳永信一弁護士は「表現の自由に対する重大な侵害だ」とのコメントを出した。」
2019/7/6
「差別的言動で東京朝鮮中高級学校(東京都北区)を誹謗(ひぼう)中傷するヘイト街宣を繰り返している人物に対し、東京地裁(古谷健二郎裁判長)は5日、同校周辺での街宣活動を禁止する仮処分決定を出した。最寄り駅での実施予告を受け学校側が申し立てていた。代理人を務める弁護団によると、ヘイト活動を禁じる仮処分は川崎市川崎区桜本でのデモに対するものなど4例目。/ 仮処分を受けたのは「佐藤悟志」を名乗るヘイト活動家。決定は「名誉を毀損(きそん)し、侮辱するなど、学校の業務を妨害する一切の行為をしてはならない」と命じ、最寄りのJR十条駅前を含む同校の半径500メートル内で学校を非難、誹謗中傷する演説やプラカードを掲げることを禁止行為に挙げた。/ 同校によると、駅前の街宣は4月ごろから複数回確認されており、金生華教務部長は「子どもたちに恐怖と日本社会への絶望を刻み付けるもの。感化された人に生徒が危害を加えられる恐れもある」と説明。通学路の変更を余儀なくされる実害も生じているという。/ 街宣は北朝鮮や在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)への批判を口実に「スパイ学校」「朝鮮人をたたき殺せ」などとヘイトスピーチを伴ってなされており、代理人の李春熙弁護士は「政治活動を装っても無関係な生徒に恐怖を与える行為は許されないと判断された」と評価した。」
<参考>過去に十条駅前で行われたヘイト街宣の記録(閲覧注意)
2015/5/31
2018/5/26-27
2019/3/15
2019/4/15
2019/5/15
2019/6/15に予定されていた街宣は主催者判断で中止。
2019/7/16 せと弘幸と有門大輔が引き継ぐ模様
#ヘイト行動情報
— odd_hatch (@odd_hatch) July 16, 2019
19/7/16付けせとブログから。十城駅前の街宣禁止の「仮処分を受けた場所においては、今後、有門氏と私が街宣を引き継ぐ形で呼びかけて」いくとのこと。
【2019/7/5】朝鮮学校を侮辱する街宣活動、「最寄り駅前でも禁止」 東京地裁が仮処分決定https://t.co/3BjBUBdAvD pic.twitter.com/uDYx4Vyjiz