【2016/4/26】 参院法務委員会 ヘイトスピーチ対策の与党案の質疑(小川、仁比、有田議員)聞き取り


13:30-15:30 途中からです。

小川「ヨーロッパではヘイト抑止の法律ができているが状況は」

武藤外務副大臣「全部を把握しているわけではないが、ヘイトスピーチの用語はないが、フランス、オランダ、ドイツでは罰則規定がある。拘禁刑や罰金刑がある」

小川「法務省としてどのようなものをヘイトスピーチと認識しているか」

岩城法務大臣「人権教育調査啓発推進の報告にあるとおり。
http://www.moj.go.jp/content/001181454.pdf

小川「法案第2条の定義『本邦外』とあるが、法務省の対象と取り扱っているものより狭いのではないか

西田「例示の中から外れているからといって、ヘイトスピーチではないとはいえない。侮蔑的表現は含まれる。これは理念法」

小川「条文からは侮蔑的表現は入らないと思う。条文だけでは実態にはあわないのでは

西田「この法律の目的は理念法。禁止規定は書いていない。書くと定義から外れた場合、お墨付きになると解釈されることがある。理念法なので全体の文脈でヘイトスピーチと認められる。総合的な文脈で解釈すべき。あまり細かい規定を入れるべきではないと考える

小川「解釈が広がるのであれば、そのように書けばよい。危害の告知、排除の扇動のふたつが重なることと規定すべき。この書き方ではヘイトスピーチの定義を厳しく限定しているから、法務省が扱っているものもヘイトスピ―チに当たらないことになる

矢倉「『本邦外』のところは『など』のところが定義。理念法なので広く解釈するものである。理念法では反対解釈はありえない。

小川「気持ちはわかるが法には書いていない。『日本から出ていけ』の日本は地域社会ですか

西田「はいる。人種差別撤廃法には禁止規定があるが、中身は理念法だと(民進党は)説明している。理念であれば、ひろく解釈する余地がある。表現の自由を公権力が規定するべきではない。あえて理念法にしている。公安委員長も法ができたら、警察にも法に則った教育をするといっている

小川「特定人は既存法で対応可能。今は不特定多数へのヘイトスピーチが問題なので立法を考えている。警察が侮蔑罪で云々といっても関係ない。野党案と与党案は西田がいうような同じではなくて、ずいぶん違う。与党案では今行われているヘイトデモやヘイトスピーチを規制できない。警察もなにもできない。今の行われているヘイトデモを止めさせる法律ですか

矢倉「やめさせることに寄与する法律であると思う。はじめて不特定へのヘイトを対象にした法律である。理念法があれば裁判にも影響がでる

小川「どのように寄与するのか具体的なことを言っていない。提案者の趣旨は法律の趣旨が他の行政や省庁に影響するという話なので、努力しない人・挑戦する人には効果がない。ヘイトデモを止めさせる根拠を一言でいってください

西田「一言でこたえられる問題ではない。禁止規定をいれると、定義をはっきりさせ、違法合法の判断を入れなければならない。云々

小川「野党案の趣旨説明での自分の発言を引用したが、それは不十分。ヘイトデモを止めさせる根拠にはならない、不許可にする法律にはならないということですね。西田議員が首を縦に振っているように

西田「YesかNOかのクイズではない。民進党の法律でもヘイトデモをやる人はいる。この方を成立することで、ヘイトスピーチ許さないと国会が認めたことになる。その影響は大きい。努力しない人・挑戦する人には教育や啓発。刑罰で彼らの行動を変えるのは間違い

小川「努力しない人・挑戦する人が悔い改めるのを待っていたらいつまでたっても終わらない。野党案は刑罰は入れていないが禁止を入れている。与党案は禁止をしていない。ここが大きな違い。

西田「われわれと小川議員が目指していることは同じ。手法が違う。厳格に規定すると、言論を規制することになる。憲法違反になると私は思う。啓発やモラルに言った得ることによって、気運を盛り上げる。小川議員がおっしゃったことと同じ。

小川「提案者はヘイトスピーチ表現の自由として許される者とは思っていないでしょうね。ヨーロッパには刑罰規定もある。だからといってそれらの国が表現の自由を規制しているとは思えない。努力しない人・挑戦する人の回心をまっているようでは追い付かない。明確な答えがなかったが、質問時間が終了



仁比「第4条で国と地方団体の責務を規定。地方公共団体に何を求めるかで、『当該地域の実情に応じ』とあるが何を想定しているか

矢倉「地域の有無、頻度など

仁比「在日コリアンの集住地区、コリアンタウンといわれるところではないところでもヘイトスピーチが許されるわけではない。ここをどのくらいの深みをもって定義されているのか

矢倉「桜本のような集住地域でも銀座デモ許されない。ごにゃごにゃ

仁比「地域ごとに許される/許されないがあるわけではないということか。

矢倉「許されないと規定。そのことを訴えている

仁比「地方公共団体が取り組むには手法が異なる。デモ申請の許可、公園や公民館の使用許可などにどう対処するのか。それぞれの場面においてこの法律はどのように対応するのか。地方自治体による許可は行政判断になるが、判断が争われる時に理念法がかかわるのか

西田「そのとおり。行政判断がでるときに理念法に照らす。ヘイトモンガーが裁判を起こした時に、国会がヘイトスピーチ許さないの判断を理念法でだしているので、裁判にも反映されることを期待

仁比「行政は表現の判断をするべきではないということか

西田「そのとおり。行政が表現内容に判断するのは憲法違反になると考える

仁比「そのことと地方公共団体の責務の規定はなに? 国の責務と地方公共団体の努力義務には関係がない。歴史や実情が異なるから。自治体がそれぞれ務めるのであれば、地方自治体に責務があると書くべき

西田「地方公共団体に対して腰が引けているわけではない。努力義務にしているが、地方自治体に義務がないというわけではないと考えている

仁比「地方自治体も大きな力をもっている。市のスタンスは決定的。国は責務、地方公共団体は努力に勤めるでは、提案者の意図と異なる。札幌では『アイヌ民族はいない』と発言した議員がいた。行政の側にもヘイトをしてはならないとはっきり書くべき

西田「その通りと思う

仁比「対象となる言動にどのように定義するか。デビット・ケイ氏「表現の自由」国連特別報告者と会った。彼からも他の人からもヘイトスピーチの定義はあいまいであってはならないといっている。

矢倉「その通りかと思う。外縁が明確でなければ、言論の萎縮効果になりうる。そこに着目したから理念法が唯一の手段と理解した。曖昧であるという批判はあたらない

仁比「与党は許されないヘイトスピーチを定義し、外縁を明確にするということでよいのか

西田「今日4時からそのことについて与党のワーキンググループで協議する

仁比「不当な差別的言動は我国の法では珍しい。ほかにあるか

・・1「障害者虐待防止法に例がある

仁比「この法律の『不当な差別的言動』を意味を説明せよ

・・2「心理的虐待に含まれる

仁比「障害者虐待防止法では、主体が限定されている。サービスを植えるものに対するサービスるものの言動となるが、その理解でいい?

藤井・・1「ごにょごにょ

仁比「間違っていないということでOKね。2条の定義に『公然と』とあるが、この意味は?

矢倉「不特定多数人が認識できる状態。

仁比「アイヌ民族、難民在留資格が争われている人へのヘイトはゆるされないということでOK?

西田&矢倉「その通り

仁比「そのことを明確にする必要がある。『適法に』の文言は削除すべきと考える。ここは議論すべきとおもうが?

西田「インターネットにそういう議論があることは承知。われわれは認めない。難民在留資格が争われている人は入管法。でも彼らに対するヘイトスピーチは認められない。日本人のモラルの問題。立法時の想定外のこともあるが、運用の仕方でここでの議論を反映することを期待

仁比「モラルを踏みにじるヘイトに対してどう対応するかが問われている。それは法に規定すべき。抜け穴はあってはならないし、ダメだということをはっきりいれるべき

西田「その通り。そのつもりで法をつくった。だからあえて表現の自由にかかわる部分は入れなかった。その解釈はできると思う。

仁比「後段が議論になっている。治安維持法とこの法律を並べるのは、議論がしにくい。この方の教育や啓発は子供のパーソナリティにも関わるデリケートな問題。教科書にかいてあればよい、教えればよいというものではない。桜本でそのことを教わった。教育や啓発でもヘイトスピーチの明確性は重要

西田「大事な指摘。外縁を定めても、その外側が出てくる。教育では思いやりが大事。ヘイトする側にいいたいのは自分がやられたらどう思うかを感じていただきたい。ごにょごにょ。思いやりの心を訴えるべき

仁比「法とは何かを提案しておきたい。われわれの考えるヘイトとは(略)。こちらに置き換えてはと提議している。行政機関は適法かどうかを判断するわけではないというが、前文の『あってはならず』とあわないのではないか

西田「表現の自由に関する禁止規定をおかないことはわれわれの提案の基幹。

仁比「理念法で禁止規定を入れる法案もある。現在の審議は極めて異例。これは国民の後押しがあるから。より良い法にしていきたい



有田「昨日高松高裁で画期的な判決がでた。損害賠償2倍になり、人種差別撤廃条約に基づいて在特会は人種差別的であるとされた。与党案にある『あってはならず』『許されない』を人種差別撤廃条約の精神に基づくなら、違法であるということでよいですね

西田「条約には順守、禁止規定を定めないは条約の精神に基づく

有田「人種差別撤廃条約の精神をこれからの議論の前提にしていきたい。3/27新宿で女性4人が傷害を追い、警察官が刑事告発された。国家公務員会の見解は

河野公安委員長「捜査中。異常な状態では安全を確保できるようにしたい

有田「異常でない状態だった

河野「個別の事案なので差し控えたい

有田「3/27の新宿と4/17の岡山の写真。日本では警察が差別主義者をまもっているようにしかみえないといわれている。岡山では警察官が交互に向きを変えて異常が起きないようにしている。岡山では女性には女性警察官が対応していた。札幌、福島ではそのようにしている。警備にはきめの細かさが必要。4/25院内集会で、中学生が発言している。そこでは警察が差別主義者を守っているとみられている。警察官にはヘイトスピーチヘイトクライムの教育がなされているか。アメリカでは研修プログラムがあり、実施されている。

河野「警察官には人権尊重、デモ現場の対応の教育を行っている。実情に合わせた教育をやっていきたい。

有田「2013年新大久保では9月以降ヘイトデモはできなくなっていた。2015年のあと職安通りをヘイトデモが通っている。デモの指導やコースの変更はなされるべきではないか

河野「助言をすることはあるが、申請者の意志が尊重される。条例にあっていればデモはできる

有田「現実と違う。過去は警察の指導があった。表現内容を根拠にして不許可にはできないかもしれないが、事例をあげてダメということはできるか

河野「できない

有田「それではヘイトスピーチはなくならない。運用があるだろう。

河野「できない

有田「裁判で具体的にこれがヘイトスピーチを確定している。それは行政に反映するべきだろう

西田「理念法なので禁止規定はない。この法の趣旨は警察官の教育に反映される。他の法律を駆使して警察が対応することを期待している

有田「岡山では拉致問題をテーマにしたが、現場ではヘイトスピーチ丸出し。新宿でも集会のみのはずがデモになった。こういう状態でヘイトスピーチをなくすまでの手順イメージをいって

西田「この法律ではできなくても、ほかの法律を行使して警察が対応することを期待。また裁判を通じて、この法が裁判官に影響して結果に反映することを期待。それらを通じて

有田「公安委員長はヘイトスピーチをなくすために何ができると考えるか

河野「ヘイトスピーチは恥ずべき行為と認識。こうしたデモでは違法行為がないように助言している。犯罪があれば現行法で警察が処罰するように指導

有田「ヘイトスピーチは不特定多数に対して行われる。そのとき『適法居住』要件が問題になる。昨日映像を配った。みなみたと思う。4/10浦和のでは自分らの行動はヘイトスピーチではないといっている。適法居住は誰がわかるのか

矢倉「立法事案で想定していたのは在日コリアン。有田のいうようなデモも適法にはならないと考える

有田「鶯谷で行われたデモでも、不法に移住した~~人を云々といったがこれは許されるのか

矢倉「許されない

有田「修正案をだしているので、反映してい欲しい。不法入国者はどうなるか

矢倉「彼らへのヘイトスピーチはいけない
西田「不法入国者は他の法律で。でもヘイトスピーチはだめ

有田「ヘイトスピーチを職業的にやっている連中が不法入国者へのヘイトは問題ないといっている。そこが問題。適法に入国できない難民もいる。かれらへはどう思うか

矢倉「ここに書いていないから適法であるという解釈にはならない。難民の立場もあるから適法であると考える

有田「適法と書いたから、職業的な差別主義者の解釈が出てくる。この法案のままだと非正規滞在者への差別が助長される。在留資格にかかわりなく滞在している外国人への差別言動は許されないということでよいか

西田「不法に滞在することを認めるわけにはいかないのが提案者の前提。だからといって、不法滞在者へのヘイトスピーチを認めるものではない。この法の理念を拡大解釈してヘイトスピーチを行うものを認めるわけではない。皆さんの反対解釈は禁止規定を設けることを意識しているのだろうがそのようなことを認めるわけではない

有田「適法と書いたから、今までのような問題がでてくる。多くに人が適法居住要件を問題にしている。2条の定義の修正もお願いしたい。
ヘイトスピーチに関する実態調査報告書』ではヘイトスピーチの定義は明確ではないというが、修正案をみてくれ

西田「しっかり検討したい

有田「インターネットのヘイトスピーチもある。迅速に対応しないといけない。いまでも差別の扇動が行われている

西田「問題は承知している。規制が難しいが今後の課題であると認識

有田「人種差別撤廃条約を日本で実現する第一歩が始まった。しっかりやっていきましょう。