数字で見る2016年のヘイト行動

これから2012年以降のヘイト行動の集計をいくつかアップします。
1.2012年は4/1~12/31まで。それ以降の年は1/1~12/31
2.2016年はこれまでよりも細かく拾っています。また次のように、連続行動をカウントしています。

7月の桜井誠都知事立候補演説は1演説ごとにピンを立てました。マップではフッターの「選挙」を押すと、それだけが選ばれます。
7-9月の大阪市役所前「HS抑止条例」抗議街宣は13回行われましたが、一つのピンにしています。

2015~2016年の月別都道府県別のヘイトアクション件数推移
桜井誠都知事立候補演説と大阪市役所前街宣は1回ごとに1カウントにしています。2016年7-9月のヘイト行動数が極端に多い理由です。


都道府県別のヘイトアクション件数推移
2012年は4/1~12/30まで
※ 東京と大阪に集中。京都、滋賀、福岡、埼玉は横ばいか増加。その他は減少。

地域別のヘイトアクション件数推移
2012年は4/1~12/30まで

種類別のヘイトアクション件数推移
2012年は4/1~12/30まで
※ デモが減って街宣が増えています。

発生月ごとのヘイトアクション件数推移
2012年は4/1~12/30まで
※ 春と秋に増えます。

在日特権を許さない市民の会」と「行動する保守」が主催のヘイトアクション件数の推移
2012年は4/1~12/30まで
※ 2017年には「日本第一党」が加わるでしょう。
※ 「在特会」の名前は使いにくくなっています。


在日特権を許さない市民の会」と「行動する保守」が主催のヘイトアクション件数の全体比率
2012年は4/1~12/30まで
※ 2017年には「日本第一党」が加わるでしょう。
※ 「在特会」の名前は使いにくくなっています。
(こちらは使い続けますが。)


「無告知」ヘイト行動の件数と全体比率
※ 無告知が増えました。平日昼の街宣が増えました。

関東地方で行われたすべてのヘイトデモの件数を市区郡別/月別に集計しました。突出して多い東京都中央区は黄色で強調しました。
※ 減少傾向ですが、東京都中央区は横ばい。

関西地方 で行われたすべてのヘイトデモを市区郡別/発生年別に集計しました。大阪市西区浪速区は色を付けて強調し、年5件を超えるデモは数字を太字で赤くして強調しました。
※ 減少傾向にあります。

2016年のトピックは、2016年1月大阪市ヘイトスピーチ対処条例成立、同年6月ヘイトスピーチ解消法施行です。施行からしばらくはヘイト行動でのヘイトスピーチは控えめになりましたが、秋以降元に戻りつつあります(桜井誠都知事立候補演説がきっかけ)。

川崎市でヘイトデモが中止になったり、川崎市大阪市NGO法人周辺への特定レイシスト立ち入り禁止の仮処分がでるなど、法の影響も出ています。徳島県教組事件で在特会の有罪が確定、李信恵さんの裁判が勝訴するなども見逃せません。
https://matome.naver.jp/odai/2148223364916609501

差別団体やレイシストの動きに変化が表れています。
1.ヘイト行動は、デモから街宣へ。集団街宣から「政治」運動にみせかけた個人街宣へ。
2.告知して土日祝日に大人数を集めるやり方から、無告知・平日昼・少人数で行うやり方へ。

参加者は固定され、街宣の参加人数は数名から十数名、デモは数十名から100名程度に減少。しかしながら、桜井・ミートボール・誠の都知事立候補街宣のように、HSをふくむ排外主義の主張に耳を傾ける聴衆が目立つようになっています。


差別団体の主催者が都議会選に立候補を表明するなど、差別煽動や排外主義の運動のやり方を変える動きもでています。今年は都議選があるので、要注意。

日本第一党在特会は2016年に党首の桜井・ミートボール・誠が都知事に立候補。北海道では幹部の女性が立候補を予定。他に、しきしま会と維新政党新風「選挙」運動を継続中。

同時に、議会へのロビイングも行っていて、歴史教科書選択に介入したり、戦争犯罪の慰霊碑撤去を要求したりなど。時に成果が上がっています。また、公共施設で歴史修正主義のパネル展や講演会も開催されています。データは集めてませんが、増加傾向とのこと。

路上のヘイト行動にカウンターが抗議するようになり、HS解消法施行後警察の警備のやり方も少し変わったことで、差別団体やレイシストは選挙やロビイングや講演会を増やしています。これらは告知が小規模なのでほとんど目立ちません。

以上、私見ですが、この一年間の差別団体の動向で気付いたことを書きました。